これでもかというほどの猛暑もやっと去り、セミの鳴き声に代わって、夜は鈴虫なのかコオロギなのか秋の虫が鳴いています。日の短くなった夕暮れにはトンボが飛び回り、秋の気配が色濃くなってきました。
ご夕食のお献立もすっかり秋らしくなりました。
椀物には松茸の土瓶蒸し、お食事はしめじご飯、煮物には秋茄子の瑠璃煮などなど。
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがあります。
「おいしい秋の茄子はもったいないから嫁には食わすなという姑の嫁いびりの言葉」という解釈と「水分の多い茄子は身体を冷やし、また、種が少ないので子供に恵まれないといけないから嫁には食べさせるな、という嫁を大切に思う言葉」という真逆の二つの説があるようです。
いずれにしても、美味しい秋茄子を相性の良い油でさっと揚げて、出汁で炊いた「秋茄子瑠璃煮」は夏に疲れた身体に優しい煮物です。
もう一つ、秋ならではの素材をご紹介します。
先付の「法蓮草菊花浸し」にあしらわれた「とんぶり」・・・、キャビアにそっくりの見た目と食感のこのプチプチしたものは、ホウキギという植物の種子。畑のキャビアとも呼ばれています。
秋田県の名産品で、昔は地元でしか食べられなかったそうです。栄養面ではビタミンKやビタミンEが豊富で漢方にも用いられます。
「法蓮草菊花浸し」には、各種ビタミンとミネラル豊富な菊の花、鉄分、βカロテンの宝庫ほうれん草、そしてとんぶりと栄養素がぎっしりつまっています。
今月も旬の海の幸山の幸50種類以上の素材を厳選して、繊細で豪華なお献立をご用意してございます。
どうぞご賞味下さいませ。
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フロント 江藤