伊東にはなかなかシブい史跡がありますが、宇佐美の江戸城石丁場もそのひとつです。
家康が江戸城を造らせたとき、その石垣用の石の大部分はここから運ばせたそうです。
慶長10年から30年余りにわたり全国の大名に命じて石を切り出させ、多いときには月に2度ずつ3000艘もの船が江戸と伊東の間を往復したといいます。
現在の皇居の石垣の多くの石は伊東から運ばれたものだった思うと、時を越えたロマンを感じます。
宇佐美から網代方面にかけての地域は「御石ヶ沢」と呼ばれています。
将軍様の御用石、すなわち「御石」が運び出された場所であったことからの地名です。
各大名は競ってここに石丁場を設け、それぞれの紋を刻んだ「刻印石」が多く残されています。それらの紋によって島津家、細川家、前田家など大名が特定され歴史好きには興味のつきないところです。
この「江戸城石丁場跡」は貴重な日本の歴史文化遺産として近く国史跡に指定される見通しとなっています。
400年前に思いを馳せながら散策されてはいかがでしょうか。
フロント 江藤