日本酒造りには米、酵母、水の三種類が必要ですが、今回は酒米(酒造好適米)について取り上げていきたいと思います。
ご存じの通り、日本酒は米を主原料にして造られる醸造酒で、使われる酒米によって味が大きく変わってくるので、作り手は多くの種類の酒米から目指す味に合わせてお米を選んでいきます。
また、日本酒に使うお米は精米(雑味の元となるタンパク質と脂質を削る作業)をし、心白という残った部分を使います。
一番有名な酒米の王者といわれているのが、同じく酒米の山田穂を母、短稈渡船を父に昭和11年兵庫県で開発された山田錦です。
万が一造りを失敗しても、山田錦なら何とかしてくれると思えるくらいの力があると、作り手が評します。大粒なため、純米大吟醸などの高精米酒に多く使われます。
山田錦に並び有名な酒米である雄町があります。
こちらは掛け合わせて造られたものではなく、岡山の篤農家で偶然発見されたものを選抜改良したもので、心白が大きく、軸の太い味になります。
雄町を使用した日本酒が好きな“オマチスト”と呼ばれる人がいるほど、支持されています。
その他の有名な酒米と特徴をご紹介します。
・五百万石…キレのある、美しい酒
・亀の尾…奥行きのある味。
・美山錦…繊細な香りを持ち、軽い味。
・八反錦…キレ良く、香りが爽やか。
・愛山…お米の甘みとコク。
・誉富士…静岡初の酒造好適米。ふくらみがあり、まろやか。
各酒造の味や風味の違いがあるので、同じ酒造の違う種類の酒米を使った日本酒や他酒造の同じ酒米を使った日本酒を飲み比べ、自分に合ったものを見つけられることで、より日本酒の奥深さや楽しさがわかりますので、是非お試しください。
ダイニング 細田