以前、伊東市役所は現在の藤の広場にありました。
その横を通る当時の伊東のメインストリート「按針通り」に交差して「玖須美温泉通り」があります。
入口には10年ほど前に建て替えて立派になった「和田湯会館」が鎮座しています。
ここは健康長寿の七福神「寿老人」の湯です。


通りを進むと・・これぞ昭和レトロ!という街並みが。
無人販売のミカンの脇には野菊が100円で。ミカンもたくさん入って200円。

皮に少しキズがあったりしますが、とても甘いミカンでした。

伊東の大手スーパー「ナガヤ」も本店はかつて中心街だったこの通りにあります。
おや、ナガヤの「ガ」の濁点が抜けていますね。
洒落た民家脇の路地に大きな大きなクワズイモ。これだけでも一見の価値アリかも。

・・・「パブ」、昭和感に満ち満ちています。

通っぽい珈琲店から香ばしい薫りが。

伊東は茶処であり、水も美味しいことから茶道も発達していました。150メートルほどの短い区間に和菓子店が3軒もあります。

「たまや」さん。近くの佛現寺に保管されている天狗が書いたと言われている巻物をもじった「天狗の詫び状」という羊羹と、地元民に愛されている天狗最中が名物です。3種類の最中には餡がぎっしりと入っています。
「菓匠ひよし」さん。

すぐ売り切れてしまう舞茸おこわ。

おこわの硬さ加減が絶妙。しっかりとした味付けで一粒一粒が美味しいです。

「サクサクデニッシュ」。遠方からもこれお目当てのお客様が。
注文をいただいてから中に生クリームを詰めます。

チョコレートを購入しましたが、他にもプレーンとイチゴクリームコーティングと全部で3種類あります。
「浩月」さん。美味しそうな洋菓子類も並びます。店先にはおおきな金魚が気持ちよさそうに泳いでいます。

「たまや」のご主人のお話しでは昭和のころはそれはそれは賑やかで、ラーメン屋さんやお蕎麦屋さんもあり、温泉帰りのお客さんでいっぱいだったそうな。芸者さんもたくさん艶やかに歩いていたそうです。
今は跡継ぎがいなかったりで多くのお店が閉店に。
観光らしい方は全く歩いていませんが、独特の味のある雰囲気と懐かしいストーリーが漂う300メートルほどの通りは、昭和の昔にタイムスリップしたようです。

ちょっと不思議な感覚を味わいに、ふらっとお出掛けいただいてはいかがでしょう。
フロント 江藤