なんとつい先日、伊東川奈の定置網に大きなクジラが入っていました。
体長約9メートル、重さ約9トンのセミクジラです。
これまで沖合でクジラが船に接触しそうになったりしたことはごくごく稀にありましたが、ここまでの大きさのクジラが定置網にかかったことは皆無で、漁協内も騒然としたそうです。
セミクジラはかつての欧米式の乱獲や密猟のせいで生息数は著しく減少し、現在では絶滅危惧種に指定されています。
大型のヒゲクジラで、背ビレが無く綺麗な山なりの形をしていることから、背中が美しいクジラ、すなわちセミ(背美)クジラと呼ばれるようになりました。
ザトウクジラとともに行動したり、人や船を見つけると背を向けて攻撃することなく静かに去って行ったりと、おとなしい平和的なクジラと言われています。
「何とか生かして逃がしてあげたかった」との漁業関係者、ダイバーの努力の甲斐なく残念ながら息絶えてしまいましたが、貴重な研究資料として生かされるそうです。
春先の伊東の海での椿事でしたが、一度でいいから生きている大きなクジラを見てみたいものです。
フロント 江藤