つい先ごろまで、「日本一のまがり雛」が飾られ、見物の人出で賑わっていた仏現寺ですが、日蓮上人が開いたこのお寺には、知る人ぞ知るミステリアスな門外不出のお宝があります。
その名も「天狗の詫び状」。
万治元年(1658年)、天城山中に天狗が出没し、旅人を悩ませていることを聞きつけた当時の住職日安上人が天狗を懲らしめるために赴き、その3尺もの鼻を両手でつかんで捻り倒しました。天狗はたまらず一巻の巻物を置いて姿をかき消し、以後現れることはなかったそうです。
その現物とされる巻物が「天狗の詫び状」です。
178行、2900字の判読不能の文字がびっしり書き込まれ、現在まで一字たりとも解読されていません。神代文字や霊界文字説、はたまた密教経典説などいろいろと憶測がささやかれてきましたが、謎のまま現代に伝えられてきました。
一般公開はされておらず、仏現寺の什宝として、お寺に大切に保管されています。
写真でみても、その文字の不可解さに興味は尽きません。
フロント 江藤